三井倉庫・富島倉庫建築群
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竣工年:不詳
設計:不詳
近世以来の河川港である安治川河口の倉庫群。
倉庫群ではあるが、近代日本の建築様式の流行の変遷がよく現れている。
明治期に建ったと思わしき赤レンガの倉庫はヴィクトリア朝英国で流行し、辰野金吾が日本にもたらした、英国フリー・スタイル(フリー・クラッシック)で盛んに用いられた赤煉瓦と石のコントラスト。
横の事務所ビルは整然とした縦長の窓が配置されたルネッサンス様式だが、垂直が強調され軒蛇腹や階段手すりに幾何学的に簡略化された、ヴィーン・ゼツェッシオン(分離派)の影響が見られる。このタイプの意匠は辰野と共同で大阪で事務所を開いた片岡安が好んだことから、大正期大阪で最も興隆した建築スタイルとなった。
そして黄土色の長大なファサードのRC造倉庫はペーター・ベーレンスのAEG工場群を思わせ、簡略化された古代ギリシャ神殿風の新古典主義様式となる。このタイプの建築は特に第二次世界大戦前夜のナチス・ドイツやアメリカ合衆国で多く建造された。
<赤レンガ倉庫>





<ゼツェッシオンの事務所>





<RC造倉庫>



