日本銀行大阪支店
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竣工年:明治36年 (1903)
設計:辰野金吾・葛西万司・長野宇平冶
長崎・島原藩蔵屋敷跡地に建つ20世紀初頭の西洋建築。大阪市公会堂(1918)、大阪図書館(1904)、旧大阪市庁(1921 取壊し)と続く中之島東部、西洋歴史様式大規模公共建築4部作のなかでも最古のものだ。
これら4つは順にフリー・スタイル、新古典主義様式、ルネッサンス様式と全て異なる出自の様式で造られている。日銀大阪支店は、ブロンズ製の玉ネギ型ドーム、柱頭飾り、エントランス部分の付け柱風の角柱と普通の円柱の混在などバロック様式の傾向が強い。
設計者、辰野金吾は様々な建築様式装飾を混在させる設計手法を採っていたので、彼の作品群の様式分類は資料によってまちまちである。中には重箱の隅を突付いたような細かい分類を定義しているものもある。しかしそもそもこの種の闇鍋風建築に対する細分された分類定義は設計者の意図に反した無粋な行為に見える。
古典的建築に敬意を表して、古いcontaxのフィルムカメラで撮ってみた。