2025年 07月 26日
中央区上汐(うえしお)の町家
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竣工年:不詳
設計施工:不詳
大阪市中央区上汐一丁目の古い町家。
大阪・天満八軒家から四天王寺、住吉大社を経て熊野三山へ至る熊野街道沿いにある。近世か、せいぜい明治までの古めかしいファサードで、市内でありがちな軒切にもあっていない非常に貴重な町家の遺構。特に何気なく建っているが、ここまで古い町家は中央区では極めて少ない。
ツシ二階大壁・虫籠窓と典型的な大阪の町家で、軒の出も深く、近世的で素晴らしい。
今でこそ都会のど真ん中だが、恐らくこの町家が出来た当時は街外れの街道沿いの商家であっただろう。
横に連なる大正-昭和初期の町家と長屋。
畿内二大都市の大阪都心と京都都心の木造建築は基本的に同じ系統だが、近代における京都に対する大阪の町家や数寄屋との違いはこの様な棟違い屋根の多用だろう。一番上の町家も棟違いがあるのに注目。棟違いは重厚な印象を与える一方、構造が複雑で雨漏りしやすく、建築として機能的なのは京都である。京都は大阪よりも建築の先端を走っていたのではないかと思われる。
あと大阪は白・灰・黒のモノトーンの壁色が明らかに多い。
熊野街道の碑。
by kfschinkel
| 2025-07-26 16:27
| 上町(大阪城界隈)





