北川金物店
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竣工年:不詳
設計施工:不詳
御堂筋線の淀屋橋駅界隈というと今日ではオフィス街というイメージが強い。しかしこのかつて北船場と呼称された地区は近世の日本の金融・流通の中枢であり、同じく近世の呉服卸売業の中心であった京都の室町界隈と同様、あるいはそれ以上に上質な町家(職住一体の商家)の集積地区であったことは忘れられてはならない。今日、北船場の町家として適塾、小西儀助商店が国重文に指定されている。しかしその他に同時代・同水準の町家、十棟程度が現在も健在で、この北川金物店などはその典型である。
この町家は表屋造りの典型的な京阪上層町家の形式をとる。しかし黒漆喰の威厳ある大壁造りがいかにも浪華好み。
ちなみに船場の街割りは伏見のそれに準拠している。
(対して天満の街割りは京都式。)