黄檗宗和気山邦福寺 (現 統国寺)
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竣工年:元禄16年(1703)
設計施工:不詳
大阪市内では珍しい江戸中期竣工の寺院建築。5間×4間の小さな寺院だが、錣葺きで間延びした印象を与える。
内部は清朝に中国から伝わった黄檗宗に則った建築様式だけあって、床には畳ではなく「磚」が敷き詰められた中国風建築だったが、現状は畳敷きとなっている。
近代になって廃れ、1969年朝鮮総連系仏教団体、在日本朝鮮仏教徒協会が買収し統国寺と改称された。なぜ無神論のマルクス主義を奉ずる北朝鮮政府の出先機関が仏教団体を組織しているのかは謎である。大阪は日本で最も多くの在日朝鮮人が住んでいるので参拝者が絶えない。
そんな訳で境内は中国、日本、朝鮮文化の要素が混成した興味深い雰囲気を味わうことができる。
建造当初の磚ではなく畳敷きに改造されている。中国や欧米では固い床で椅子に座るが、朝鮮人は日本人やアラブ人同様地べたに座るので畳のほうが合うのだろう。
仏像は恐らく近世日本の製作。
礼拝の形式は独特で映画「ラストエンペラー」に出てくる三跪九叩頭を思わせる。中国の寺院ではよく見かける。