旧制大阪商科大学本館・図書館(現 大阪市立大学一号館・サークル棟?)
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竣工年:昭和9年(1934)
設計:大阪市建築課(伊藤正文)
東京商科大学(現 一橋大学)、神戸商業大学(現 神戸大学)と並ぶ旧制官立三商大であった、大阪商科大学に残る本館とサークル棟。
東京と神戸がロマネスクの歴史様式の学舎であるのに対し、大阪はモダニズムと水平線を強調したドイツ表現主義、そして戦前日本の官庁建築の特徴と言える車寄せと長大な中央棟屋を併せ持っている。設計者、伊藤正文は当時日本の前衛建築家集団、「日本インターナショナル建築会」の主導的人物で建築における衛生工学を推進したという。
十年余り前、センター試験を受けに市大に来た時には確かもっと沢山近代建築が残っていて、自分が試験を受けた校舎も天井の高いモダニズム近代建築であった記憶がある。しかしどうやらそれらは大阪市によってほとんど破壊されたらしくその校舎も無くなっていた。



意匠デザインを古代ギリシャ/中世ゴシック以外の世界、中国、日本、インド、南米等に求めるのは、アールヌーボー、アールデコ、表現主義等の脱歴史主義様式を模索した芸術運動に共通して見られる。
例えばエミール・ガレの芸術表現に浮世絵等の日本美術の影響が見出されるからといって、「世界に認められた日本の美」とかなんとか書きたてるのは噴飯物である。彼らは西欧の歴史的様式から脱却する為ならば日本だろうが中国だろうがどこの国の意匠技法でも摂取しただろうし、実際やっている。
この流れが明らかに日本の建築家にまで見出されるのは興味深い。

















この様に歴史的建造物の手入れを意図的にサボタージュして「老朽化」したと称し破壊、新築するのが大阪市役所のお得意のやり口なのだろう。

